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Medical Q&A


初めまして、私のもともとの本職は、心臓、血管、不整脈などを専門とする医師をさせていただいております。


このコーナーを設けさせていただいたのには訳があります。




 皆様は、ご自分の健康についてどういったお考えをお持ちでしょうか。年一回、普段の不摂生な生活を思い巡らせながら、いやいや、どきどき しながら、健康診断をうけ、ちょこちょこ指摘を受けながらも、何となく、そのくらいなら いいか、と自己判断し、そのままほったらかして、日常を送っている・・・・



 思い当たる節はありませんか?



 以前の世の中と比べて、健康管理、というものの考え方は近年、どのように変わってきたのでしょうか、 そこからまず考えてみましょう。








  〜従来の医療、医師との関わり方〜




 これまで、医療とはやはり、あくまで病気の人間を治療する、というのが 一般的、というか、当たり前、でした。


また、何かあれば、医者に駆けこみ、"先生にお任せする"、おすがりするしかありません、お願いします。という完全他力本願 が基本であったかと思います。


そんなことゆうても、わかれへん、だからこそ専門家がいるんやろ、 という主張も最もだ、と思います。我々の先輩たちの世代はそうでした。



よっしゃよっしゃ、ほな、まかしとき


お願い-任しとき!



 これが基本だったと思います。


今でも、多くの方はこういった考えをお持ちではないでしょうか、 それは専門家じゃないんだから、当たり前や、だからこそ、専門家に金払ってるんや!という主張は成り立ちます。

では、最近の医療の考え方はどのようになってきたのか、を考えてみましょう。








  〜変遷の要因〜






 その要因としては2つの大きな理由があります。時代の変化、流れといってしまえばそれまでですが、 その2つを考えて行きましょう。

 1) 医療経済学


健康保険行政が崩壊しつつある現在、しきりに医療経済学が重要視されてきています。


現在の日本の医療は国民皆医療保険制です。この制度はいわば日本特有の制度であります。




では欧米ことにアメリカはいかなる制度なのでしょうか。


基本的には医療保険は 自分で、自由に加入する制度です。
従って医療経済的な情勢はすべて基本は民間ベースです。そのため、より効率的、かつ合理的な医療経済学的な考え方が発達しています。
わかりやすく説明しますと、どのようにすればよりお金がかからないか、ということです。
実際、心筋梗塞や脳卒中など命に関わる重病を発症し、病院で高度先進医療を受けたとすると、 どのくらいの費用がかかるかご存知でしょうか、
また、糖尿病、動脈硬化に伴う高度重症慢性疾患に対する医療費、慢性透析などにかかる費用、などなど一度病気を発症してしまえば、そこにかかる 医療費は莫大です。


では、どうすれば経済的なのでしょうか。


欧米では古くからこの考えに基づき 大規模な試算が繰り返されその結果、予防医学が進んできました。
要するに病気の 発症、進行を抑え、出来るだけ早期に見つける、ということです。




たとえば、高血圧に関して考えて見ますと普段から、きっちり血圧を調節し、通院し、管理をしていく、ことがより大きな病気の発症を抑え、元気で長生きにつながる、ということです。
しかし、どうすれば高血圧とわかるのでしょうか。
以前は病院へ行ったり、健康診断で測定した血圧が高ければ、それではい、あなたは高血圧です、薬を飲みましょう でした。
その結果、実は普段の血圧は低いのに薬を飲まされ、かなりの低血圧になってしまいふらふらになりよく調べてみると実は血圧はむしろ低目であった、などという話は以前よく耳にしました。


従って現在は自分で 普段の血圧を測り、それを元に高血圧の診断、治療方針を決めて行く、という風に変わっています。





今は医療機関の役割は、病気だから病院にいく、という時代ではありません。
自ら健康に対する意識を持ち 自分の健康は自分で考え、守っていく、ということがより重要と考えられる時代なのです。     


 2) 医師に対する不信感、欧米的な考えに基づく公正な責任の追及



最近、病院で手術や検査などを受けられた方はご存知だと思いますが、その際の書類の多さです。説明同意書、インフォームドコンセント、などなど、いちいち大量の書類に署名させられます。


めんどくさいなあ・・・どうせせなしゃあないんやから、めんどくさいことせんでええのになど、お感じになった方も 多いはず。




ではなぜ、こんなに大量の書類を書かされるのでしょうか?


そもそも、医療とは、というややこしい話に なりますが、“あくまで、神様が元通りにするものではなく、人間が人間の出来うる限りをおこなうのだ、”ということを 認識してください。


機械に置き換えれば、(例は悪いですが、)壊れたものを修理することは出来ます、しかし、 買ったときと同じまっさらな状態には出来ません。それと同じです。
また、機械なら、買い換えることは出来ますが、 古い機械をだましだまし使う場合を想像してください。応急修理は出来るかもしれません。
でもどうするのが一番いいのか、 それは、それを使うものが判断することです。完璧はあり得ないのです。


従って、医療もそうで、どういう”修理”の仕方が 一番その状況によっていいのか、それには絶対的な正解がないのです。あくまで”相対的”でしかないのです。そこで、説明義務が生じるのです。
色々な方法があります、こうすればこうなります、でもこういう欠点、こういう利点があります。 いかがいたしましょうか、、、
これは絶対的な正解のあるものではなく、一人一人、皆、違うのだと思います。
それらを理解してもらったうえで、医療をする側、受ける側、双方とことん、納得した上で、医療を進めるのが正当な医療である、と私は 思います。そのための”説明義務”です。
ですから、それを双方が納得した、という証の意味での”説明同意書”なのです。 これはある意味”契約”であります。ですから、それに違反した場合、双方どちらにもその責任が生じるのです。
この考えは非常に欧米的ではあると思いますが、私は正しいと思っていますし、実際に実践しています。







このコーナーでは、積極的な皆様のご意見をお待ちしています。個人のプライバシーは保護することを確約いたします。 皆様の積極的なご意見をお待ち致しております。


また、私個人に対して、医師法の範囲内で、質問にはお答えいたしますので、ご遠慮なくご意見、ご質問などを をお送りください。個人的に、無償でご相談に乗って行きたいと思います。


今後皆様のご質問などをどしどし掲載していきたいと考えております(もちろんご承諾の上で)。




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